高齢ドライバーの事故って本当に増えてるの?分析してみた
最近、高齢ドライバーの事故の報道をよく見かけるので、高齢ドライバーの事故数の推移が気になったので調べてみました。
実際、事故は増えているのか?
結論から言うと、あまり変化はありません。
内閣府のサイトからデータ(平成18~28年)を借りて、分析してみましょう。
ここでは、高齢ドライバーを、75歳以上とし、死亡事故に絞って分析する事とします。
高齢ドライバーによる死亡事故の件数
まず、「 75歳以上の運転者による死亡件数及び割合」を見てみましょう。
75歳以上の運転者による死亡件数及び割合
・件数について
上がったり下がったりです。
「年々と明らかに増えている!」とは言い難いでしょう。
一言で言うのは難しいですが、全体的に見て、ほぼ横這いと言えます。
・割合について
全体の死亡事故のうち、75歳以上の運転者による死亡事故の割合は、
7.4%から13.5%に増えていて、これはほぼ単調増加です。
⇒まとめると、
高齢ドライバーによる事故件数が横這いなのに対して、全体の事故の中で高齢ドライバーが占める割合が上がっている。
⇒という事は、
高齢ドライバーと、その他のドライバーの比率が変化したと言えます。
・高齢ドライバーの数が増えた
もしくは
・その他のドライバーの数が減った
という事になります。
高齢ドライバーの数の推移
「75歳以上の運転免許保有者数の推移」を見てみましょう。
⇒高齢ドライバーの数が単調増加している事が分かります。
自然に考えれば、
「高齢ドライバー数が増えているならば、高齢者の事故が増えて当然」ですよね。
「車が全く普及してない時代に比べて、車が普及している時代には事故が多い」のが当然なのと同じです。
高齢ドライバー1人当たり起こしている事故の件数
高齢ドライバー1人につき、起こしている事故の数はどうなんでしょう。
勝手に表にしてみました。
⇒これを見ると、高齢ドライバー1人当たり起こしている事故の件数(平均)は単調減少している事が分かります。
自動車の安全機能が向上した結果が出ているのかもしれません。
まとめ
・75歳以上の運転者による死亡件数は、ほぼ横這い
・ 全体のうち高齢ドライバーによる死亡事故の割合は増えている。
・↑の背景として、高齢ドライバーの数自体が増えている。
・高齢ドライバー1人当たり起こしている事故の件数(平均)は減っている。
あとがき
最近になって、メディアの報道を受けてやたらと「老害!」という声が上がったりしていますが、
高齢ドライバーの数が増えている事が原因と思われますので、
「高齢ドライバー1人当たり起こしている事故の件数」は下がっているのに、「老害!」と言う人は、
年代に限らず、車を乗る人数が増える事に文句を言っている事と同じ事になります。
ただ本人たちはそれを自覚しているのかが疑問です。
※私は、事故を起こす高齢ドライバーを擁護するつもりではありません。
安全が第一なので、免許を返納する高齢者が続々と出てきている事も、良い流れだと思っております。
ただ、データがどうなっているのかが気になったので、ここで分析してみました。
以上です。